津波警報が出て2000人の方が避難しましたが、幸い被害はなかったようです。
この地震は大震災との関係不明のようですが、
気象庁は年単位で注意をと大震災の余震についても
引き続き警戒を呼びかけています。
また、同日午後9時、茨城、千葉で震度5強がありました。
気象庁によると大震災の余震ということです。
緊急地震速報が繰り返し流れるなど、気になる地震でした。
ところで、地震が起こったあと、
お互いの無事を確かめ、安心する気持ちになることがあります。
今回の記事では「安心が怖い。パニックを恐れるな」
ということについてご紹介します。
地震後の安心 落とし穴
という記事で以下のような分析がなされています。
簡単に言うと、「油断するな」ということですね。明治以降、陸前高田市は主に3度にわたり津波に襲われた。地震後、すぐに高台に向かわなかった人がいたのはなぜなのだろうか。災害時の人の心理を研究する東京女子大名誉教授の広瀬弘忠さんは、大きな揺れの後に極度の緊張が解けた強い安心感から、住民同士が無事を喜び合う状態だったのではないかと推測。この「災害後のユートピア」と呼ばれる現象は、関東大震災など他の大災害時にも広くみられたという。問題は、多くの住民に喜びによる結びつきが生じることで「次に津波が来る」との注意が薄れてしまうことだ。周囲がその場にとどまることも、避難をためらわせる原因に。広瀬さんは「こうした状況下では危険に気づいた人が声を上げ、実際に逃げることで周囲の避難を促すことができる」と指摘する。
ところで、「災害後のユートピア」と呼ばれる現象と聞くと、
以下の本を思い浮かべますが、この良い意味でのユートピアが
注意をそらす悪い側面も持つとすると悲しいですね。
災害ユートピア―なぜそのとき特別な共同体が立ち上るのか
レベッカ ソルニット
パニックを恐れるあまり、冷静であること、
まわりと同じであることを優先するあまりに、
危機的状況で命を守る動きができないことの方が怖いのかもしれません。
その点については、こちらの本にも詳しいです。
人はなぜ逃げおくれるのか ―災害の心理学
広瀬 弘忠
同著者は「パニック神話」 が被害増やすという記事でも、
このようにわかりやすく説明してくれています。
パニック神話はエリートによるパニックともいえます。── 情報を提供する側は、パニックを恐れて冷静な対応を求めがちです。ですが、実際は冷静にしている場合じゃないこともありますね。現代社会では、災害や事故が突然ふりかかっても、大勢の人が互いに踏みつけたり、押しつぶしたりして死傷者が出るようなパニックはめったに起こらないことが分かっています。パニックを恐れるのは古い災害感に根ざした考えで、われわれは少し皮肉をこめて「パニック神話」と呼んでいます。逆に、パニックを恐れて正確な情報を知らせないことが、被害を増やします。米国のクラブの火災では、混乱を恐れた従業員が客に伝えた「ボヤなので心配いりません」という情報が、避難の遅れを招き、重大な結果につながってしまいました。同様のケースは数多くあります。
エリートパニックについては
本当に映画のように市民はパニックを起こすのだろうか?
という記事が詳しいです。
実際は、映画などでイメージがある「市民のパニック」とは違い、助け合いながら生まれる状況対応能力に優れたコミュニティを生み出す。今回の東日本大震災においても、様々な民間支援コミュニティが立ち上がり、多大な成果を上げていることが記憶に新しいだろう。さて、あなたは地震のあと安心しますか?
一方で、災害時、「エリートパニック」が発生する。
「エリートパニック」とは、コロラド大学の自然災害センターを率いる災害社会学者キャスリ-ンティファニーが提唱した概念で、「エリートは自分たちの正統性に対する社会秩序の混乱を恐れる」ことを指した言葉である。エリートは、壮絶な事態が発生・もしくは発生が予告されると、自分たち以外はパニックになるか・暴徒になると信じ、彼らの想像の中にのみ存在している何かを防ごうとして行動に出る。また、市民が目覚ましい成果を上げ始めた際には、それを阻害する行動に出る。
それとも最悪のケースを考えて動きますか?
(その中で他者に対する被害妄想をせずに)
実際に遭遇したときのことを考えると、なかなか難しいですね。
いまのうちに頭の中でイメージしておきましょう。
それがあなたや周りの人を助けることに繋がるのではないでしょうか。
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